不動産オーナーが税負担を軽減したい場合
不動産オーナーは、一般的に先祖代々受け継いできた不動産を活用することから、不動産収入が最年長のオーナー一人に集中しているケースが多いものです。
プライベートカンパニーを活用することで様々なメリットを享受することができます。
プライベートカンパニー活用による効果
1. 不動産の賃貸管理事業の事業としての独立化
プライベートカンパニーが建物を所有したり、オーナーの賃貸不動産を借り上げや管理することで、不動産の所有と不動産賃貸経営を分離することができ、オーナーの老後も安心して不動産賃貸業を営むことができます。
2. 毎年の所得税等の軽減
所得税は課税の対象となる金額が多くなるほど適用される税率が高くなる(超過累進)ため、プライベートカンパニーにて不動産経営をすることで、オーナーの不動産所得の一部が会社に移り、その所得を会社を運営している子や孫が役員報酬で取得することにより、所得を分散することができるため、毎年の所得税等の負担が軽減されます。
3. 相続財産の蓄積の軽減及び納税資金の確保
オーナーの毎年の所得が減ることから、オーナーの預金財産が蓄積されることが軽減されるため、相続財産の増加を抑えることができます。また、相続人になる子や孫は受け取った役員報酬を蓄えることによって来るべき相続税の支払いに備えることができます。
4. 資産の間接保有による評価額の軽減と株式の計画的贈与
現在の税制では、不動産等の資産は個人が直接保有するより、プライベートカンパニーを通じて間接的に保有するほうが有利(つまり相続税評価額が低くなる)となっています。
また、不動産を贈与する場合には、登記費用や不動産取得税等の費用を負担しないといけませんが、株式はそのような費用負担なしに1株から贈与することが可能です。
よって、一族の財産を徐々にプライベートカンパニーによる間接保有にしてゆき、オーナーが保有する会社の株式を計画的に子や孫に贈与していくようにします。
ただし、プライベートカンパニーは会社設立に費用がかかったり、社会保険の加入義務が生じたり、メリットだけでなくデメリットもあります。うまく活用すれば大きな効果を得られますが、活用を誤るとあまり効果がないばかりか、税務リスクを生じることになりますので、事前に専門家にご相談ください。